verapamil

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机がガタリと揺れ、グィドは水を掛けられた猫のように椅子の上で飛び上がった

「あたしらが……カナンがここまで、どれだけの苦労を背負ってやってきたと思ってるんだい!? あっちを立ててこっちを守って、ゴタゴタが起きないようにいつも頭を下げてきたってのに、それをお疲れ様の一言で済ます? 冗談も休み休み言いな」「そ、そうムキにならなくたって良いじゃないか

結局は武器も何も無い、老人と女子供ばっかりの難民連中なんだろ? それの指揮をラヴェンナまで預かるから、君たちは休」「辺獄には!? あたしらはこれからエデンまで行かなきゃいけないんだよ

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ラヴェンナまで休んでろ? その後は丸投げする癖に? そういうのを良いとこ取りって言うんだよ!」 ペトラの剣幕に気圧されていたグィドだが、カナンが彼女を制止するのを見ると、今度は逆に胸を張った

「ふんっ、偉そうに言ったところで、君たちは僕らラヴェンナの人間が寛容だから成り立ってるんだ

何なら、今すぐにだって騎士達に制圧させることだって出来るんだぞ!」「ちゃんと物を考えて言いな!」「何だって!?」「そんな簡単に済む話だったら、誰もこんなに困っちゃ……」 今度はカナンも、少し強めに彼女の肩を押さえた

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「ペトラ、そこまでです」 鬱憤を晴らしてくれるのはありがたいが、そればかりに熱中して交渉をおろそかにしてはいけない

グィドの言う通り、今の自分達は各煌都の微妙な思惑の中で、辛うじて爪先立ちをしているような状態だ

感情に流されて失敗すれば、情勢の波に呑まれて溺れてしまう

「殿下、先程も申し上げた通り、難民達は常に不安の只中にあります

己惚れるつもりはありませんが、今まで彼らとの関係をなんとか維持してきたつもりです

もし指導者が変われば、彼らは自分達が見放されたと感じるでしょう」 自分が良い羊飼いかどうかは分からないが、少なくとも致命的な反乱は起こされなかった

食事と安全の提供という最低限の部分をカナンはしっかりと守ってきたし、だからこそ難民たちも、不満を述べつつ彼女に従ってきたのだ

 グィドが人事の変更をどの程度深く考えているのかは知る由もないが、上層部からのあおりを喰らうのはいつも下々の人間だ

これで食料や雑貨の配給が滞れば目も当てられない事態に陥るだろう

とても楽観論で片づけられる事象ではない

 だが、ラヴェンナの王配は妙に頑固だった

ペトラに怒鳴られたことでへそを曲げたのか、カナンの言葉にも耳を貸そうとしなかった

「見放される? 彼らが君に対して、そこまでなついているとは思えないね